不動産の正解とは…
不動産屋に何を相談するのか
不動産で困ると、私たちは不動産屋へ行きます。
自分より不動産に詳しい人に聞きたいからです。
そして、それは必要なことでしょう。相場の読み方、物件の見極め、契約や登記の手続き――こうしたことは、たしかに彼らのほうがはるかに詳しいです。
けれど、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
不動産屋は自分たちを「不動産の専門家」と名乗りますし、それは事実です。
名刺に「宅地建物取引士」などと国家資格が書いてあれば、なおのこと信頼できる専門家に見えるでしょう。
ただ、不動産屋を「専門家」として、その言葉を重く受け取り過ぎることには慎重になった方が良いかもしれません。
不動産屋は、商売としてその仕事をしています。金融機関も同様です。
会社を続けるには、取引が成立しなければならない。
だから、どれだけ親身な担当者でも、構造として、自分たちの利益にならない助言は出てきにくいのです。
「買わないほうがいい」「売らずに持っていたほうがいい」「今は動かないのが正解」――
それが本当にあなたにとっての最善でも、その言葉は、商売の立場からはとても言いにくい。
これは、誰かを責める話ではありません。立場が違えば、見える景色も、言えることも変わる。それだけのことです。
ただ、その構造を知っておくと、受け取った助言を、少し落ち着いて眺められるようになります。
家を選ぶことは、暮らしを選ぶこと
とくに購入は、長期的な人生設計の中の大きな選択の一つであることが多いはずです。
どこに住むかで、毎朝の風景が変わり、通勤が変わり、近所付き合いが変わり、休日の過ごし方が変わる。
家族との時間も、これからの老い方も、その選択の上に乗っています。
購入する家を選ぶとは、これからの生活そのものを選ぶことになります。
そして、「自分がどう暮らしたいか」の専門家は、この世にただ一人、あなた自身しかいません。
どんなに優れた不動産屋も、あなたの暮らしの専門家にはなれない。だから、正解は構造的に、あなたの中にしかないのです。
答えは、あなたの中にある
不動産の決断で迷ったとき、私たちはつい、もっと情報を、もっと詳しい専門家を、と外側を探します。けれど、本当に必要なのは、情報ではなく、自分の状態を整えることかもしれません。
焦り、不安、損得勘定、誰かの立場から出た助言――そうした「外側から来たもの」をいったん手放したとき、あなたの奥にあった答えが、静かに見えてきます。
相場や手順は、専門家に聞けばいい。
けれど「自分が、どう生きたいか」は、あなた自身が、いちばんよく知っています。
「楽しい」から始める
物事には、縁起というものがあります。
何かが立ち上がるとき、その始まりの「周波数」が、その後に続いていく現実を決めていく、という考え方です。
不安から始めた選択は、不安の続きを連れてきます。
損得から始めた選択は、損得の計算がいつまでも終わりません。
けれど、「楽しい」から始めた選択は、楽しい縁を結んでいく。
家を選ぶときも、お金のことを考えるときも、人生のどんな選択でも、これは同じです。「正しいか」「損か得か」の前に、「楽しいか」「心がよろこんでいるか」を、そっと自分に聞いてみる。
その問いに「はい」と答えられる状態で選んだものは、たとえ何があっても、あなたを楽しい方向へ連れていってくれます。
不動産の正解は、不動産屋の中にも、損得の中にもありません。
それは、整ったあなたが「楽しい」と感じる、その周波数の中にこそあると私は思います。