不動産の悩み|所長のセカンドオピニオン

「不動産投資」という言葉の違和感

「節税になりますよ」「私的年金の代わりになります」
「管理は全部おまかせ、ほったらかしで大丈夫です」――。
不動産投資は、時としてそんな甘い言葉で語られます。

ただ、不動産投資は「投資」というよりも「事業」だと思っています。
そして事業には、主体としてのあなたの労働が必須です。

「投資」という言葉が、判断を曇らせる

不動産投資という言葉には、どこか「お金を置いておけば、勝手に増えていく」という響きがあります。
株式や投資信託のように、買って持っていれば、あとは時間が働いてくれる――そんなイメージで語られがちです。
けれど、実際に不動産を持つ立場から、はっきり言えることがあります。
不動産で人にお金を払ってもらうという行為は、その実態において、投資ではなく事業です。
入居者という「お客様」がいて、その人に住まいという価値を提供し、対価として家賃をいただく。
これは、立派なひとつの商売です。株や投資信託のような証券口座で運用する「投資」とは、本質がまったく違うのです。

事業には、終わりのない判断と労働がある

事業である以上、そこには絶え間ない判断と手間が伴います。
入居者の募集、家賃の設定、空室が続いたときの対応。
設備が壊れれば修繕し、家賃が滞れば向き合い、退去があればまた次を探す。
建物は年々古くなり、税金や管理費は確実に出ていく。近隣とのトラブルが起きることもある。
そして、株や投資信託のように、スマホで売り注文を出すだけでは、売却もできません。
「ほったらかしでいい」と言われたものに、これだけの経営判断が詰まっている。
管理会社に任せられる部分はあっても、最終的に責任を負い、判断を下すのは、所有者であるあなた自身です。
他の事業よりは手がかからない、というだけのことです。
事業の主体は、どこまでいっても、あなたなのです。

「利回り」の数字は、そのまま受け取れない

不動産がよく投資と並べて語られるのは、「利回り」という共通の言葉があるからです。
けれど、株式投資や投資信託の利回りと、不動産の利回りは、根本的に性質が違います。
株や投資信託は、保有しているだけなら、ほとんど経費がかかりません。
一方、不動産は、持っているだけでお金が出ていきます。
固定資産税が毎年かかる。火災保険料もかかる。
屋根や外壁のメンテナンスには、一度で百万円を超える出費になることも珍しくありません。
水回りが壊れれば、数十万円単位でお金が飛んでいく。
そして何より大きいのが、空室です。
退去が出れば、その部屋からの収入はゼロになります。
それでいて、次の入居者を迎えるためのクリーニング代やリフォーム代は、出ていく一方です。
つまり、表面上は同じ「利回り5%」でも、経費が差し引かれない金融商品と、経費が次々にかかる不動産とでは、手元に残るものがまるで違う。
同じように利回りと表現されていても、内実は全く異なるものです。

なぜ「投資」として売られるのか

ではなぜ、これほど手のかかる事業が、「投資」という軽やかな言葉で売られるのでしょうか。
おそらく、そのほうが売りやすいからでしょう。
「これは事業です。経営の覚悟が要ります」と言われて買う人は、多くありません。
「ほったらかしで増えます」と言われるから、人は手を伸ばす。
そして、ここでも商売の構造が働いています。
物件を売る側、ローンを貸す側にとって、利益が確定するのは「あなたが買った瞬間」です。
その後、あなたがその事業を続けられるかどうか、儲かるかどうかは、構造的に彼らの関心の外にあります。
彼らが売りたいのは物件であって、あなたの事業の成功ではないのです。
これは、誰かが悪いという話ではありません。
ただ、「投資」という言葉の軽さと、「事業」という現実の重さの間に、それだけの開きがあるということです。

向いている人も、たしかにいる

ここまで読むと、不動産はやめておけ、という話に聞こえるかもしれません。
けれど、そうではありません。事業として向いている人も、たしかにいるのです。
それは、この事業を楽しめる人です。
実際、私自身は不動産を複数所有しています。
ただ、それは「儲かるから」という理由だけではありません。
私の場合、物件の管理で地方に足を運ぶこと自体が楽しいのです。
馴染みのない土地を歩き、その場所の空氣に触れ、愛着を持った物件と向き合う。その一連の営みが、私にとっては苦ではなく、むしろ楽しくて仕方がないのです。
だからこそ、地方の物件を持ち、関わっていける。
けれど、これを「面倒だ」と感じる人のほうが、おそらく多いでしょう。
そして、面倒だと感じる人にとっては、それは続けられない事業になる。
向き不向きは、利回りでは測れません。
事業としての営みそのものを、自分が楽しめるか、続けていきたいと思えるか。そこにかかっているのです。

楽しい振動数かどうか

「これは儲かるか」ということをさておき、
その不動産を所有し、設備を維持し、長く入居者と付き合っていく。
その一連の営みを、自分がやったら楽しそうだと思いますか?
損得の計算の前に、そこに答えがあります。
楽しいという振動数のご縁で始めたものはうまく行く。
納税日本一の斎藤一人さんから学んだ、もっとも大事にしている教えです。
あなたが楽しそうだと思ったかどうか、それが答えではないでしょうか。

不動産 位相調律について

著者|白川愁士(世界線調律所 所長/神社巡拝ヒーラー)
不動産投資家。お金を追い求めた末に、神社参拝が日常となり、結果的に「神社巡拝ヒーラー」となった。現在は三位一体調律(トリニティヒーリング)で心・身体・現実(お金の流れ)を整えている。宅建士・FP保有。 ▶ プロフィール