現実の整え方

お金持ちほどスピリチュアルを大切にする理由

お金とスピリチュアル。

一見すると、関係ないもののようにも思えます。

お金は現実世界の象徴であり、数字として銀行口座に現れます。

一方、運、ご縁、感謝、徳、波動……といったものは、目で見ることができません。

ところが、実際に大きなお金を動かしてきた人たちの話を聞いていると、不思議なほど目に見えないものを大切にしていることに氣づきます。

「お金持ち」としての斎藤一人さん

私が特に影響を受けた経営者が、斎藤一人さんです。

昔からファンの間では「ひとりさん」なので、ここでもそう呼ばせてもらいます。

ひとりさんは、銀座まるかんの創設者として事業を成功させ、長者番付でも広く知られた実業家です。PHP研究所の紹介でも、全国長者番付で長年上位に入った人物として紹介されています。

当時の周波数が低い私にとって、ひとりさんのお話は単純に累計納税額日本一という実績のあるお金持ちの話でした。

ただ、実際に私が聞いたひとりさんのお話は、具体的な経営の話や「こう頑張ったら成功する」などの話は少なかったと記憶しています。

むしろ、「波動(周波数)」、「天国言葉」、「感謝」、「神様」といった目に見えないものの話がほとんどであり、今にして思えば「意識」を変える話をされていたのだと私は解釈しています。

「ツイてる」を口ぐせにすることや、天国言葉と呼ばれる前向きな言葉を使うことなど、今でこそスピリチュアルの世界では珍しくありませんが、ひとりさんはそれを商売やお金の話と切り離さず、言葉によって人生が変わることや、運とお金、人間関係がつながっていることを、実業家としての目線で語っていました。

現実世界で大きなお金を動かした人が、目に見えない世界の話をしているのだから、そういう世界があるのかもしれない。

お金持ちの言葉だからこそ、当時の私は興味を持ち、その教えを実践できたのだと思います。

成功者が中村天風先生

私が中村天風先生を知ったのは、大谷翔平選手が活躍し始めた頃でした。

大谷選手の活躍が日本の希望として注目を集めていた頃、その愛読書として中村天風先生の『運命を拓く』という本があることを知りました。

斎藤一人さんや小林正観さんの思想を学んだ後であったので、業界問わず大成功を収めている人は目に見えない応援を受けているという確信があり、それを言語化した本であろうと推測し、天風先生の『運命を拓く』に触れたのでした。

そこで天風先生について調べてみると、私が想像していた以上に、目に見えない世界とご縁の深い方でした。

天風先生は日露戦争で軍事探偵として活動した後、肺結核を患います。当時は不治の病ともいわれた結核を抱えながら人生の真理を求めて欧米を巡り、その帰路でヨガの聖者カリアッパ師と運命的に出会い、ヒマラヤの麓で約3年間修行したそうです。

『運命を拓く』には、「生命の力」「人生を支配する法則」「潜在意識とその性能」「言葉と人生」「大いなる悟り」「人生と運命」という章立てで書かれており、その根底にあるのが、いわゆるワンネスにも通じる概念ともいえる、人間の生命と宇宙を一つのつながりとして見る「宇宙真理」です。

天風先生は、自分は大宇宙の力と結びついている存在であるという真理を悟り、病を克服されたとされています。

精神世界で悟りの境地に至った天風先生は、その後現実世界で活躍されます。

日本へ帰国した後は実業界に入り、東京実業貯蔵銀行の頭取、大日本製粉の重役まで務めています。人生の真理を求めてインドで修行した人が、その後は銀行の頭取として現実のお金を動かし、企業経営の世界でも結果を残していたのです。

そして1919年、それらの地位をすべて離れ、上野公園などで辻説法を始め、自らの体験から生まれた「心身統一法」を世に伝える道へ進みました。

天風先生が説いた「心」は、単なる氣持ちの持ち方ではありません。

人間にはまだ表に現れていない「潜在勢力」があり、心を整えることでそれを現実に発揮できる。瞑想によって雑念を静め、インスピレーションやアイデア、本来持っている潜在的な力を引き出していくと説かれていました。

中村天風先生も、現実世界で活躍された方ですが、その土台は精神世界の理解だったといえるでしょう。

さらに私は、天風先生を知っていく中で、その思想が大谷選手の活躍よりずっと前から、日本を代表する多くの成功者へ影響を与えていたことを知ります。

松下幸之助氏と稲盛和夫氏

中村天風先生の思想は、日本を代表する多くの経営者たちにも影響を与えています。

松下幸之助氏は、現在のパナソニックを一代で世界的企業へ育て、「経営の神様」と呼ばれた人物です。晩年には松下政経塾を設立し、その思想は企業経営だけでなく、後の政治家や社会のリーダーたちにも受け継がれていきました。

松下氏は「企業は社会の公器」と考え、良い商品をつくって人に喜ばれ、社会から必要とされれば会社は自然に大きくなり、得た利益もまた社会へ還元されていくと考えていました。これはまさに価値とお金が循環するということです。

一方、稲盛和夫氏は、京セラを創業し、第二電電(現在のKDDI)を設立し、経営破綻したJAL(日本航空)の再建まで成し遂げた人物です。

稲盛氏も大経営者として知られる方ですが、「宇宙の意志」という言葉を使い、人の思いが発するエネルギーと宇宙の流れとの同調について語っていました。

松下幸之助氏も稲盛和夫氏も、一般にはスピリチュアルな人物として知られているわけではありませんが、目に見える数字や経営だけではなく、「心」や「運」、目に見えない世界を大切にしていました。

この二人もまた、中村天風先生の思想から影響を受けていたのです。

竹田和平氏が語った「貯徳」

もう一人、お金と目に見えない世界を考える上で外せないのが、竹田和平氏です。

竹田和平氏は、幼児向けのお菓子「タマゴボーロ」を大ヒット商品に育てた実業家であり、その後は100社を超える上場企業の大株主となり、「日本一の個人投資家」とも呼ばれた人物です。

お金の世界で、実際に大きな成功を収めた方です。

ところが竹田氏が大切にしていたのは、「どうすれば儲かるか」という話だけではありませんでした。

竹田製菓のタマゴボーロには、なんと「ありがとう」を100万回聞かせてあるそうです。

幼稚園児たちが「ありがとう」と話す声を録音し、それを工場内で流し続け、原料から製造中のお菓子、完成した商品まで「ありがとう」を聞かせる。

「ありがとう」が魔法の言葉であることは、斎藤一人さんはじめ、スピリチュアル業界ではとても有名な話ですが、実際の製品製造の現場でここまでやる実業家は、なかなかいらっしゃらないと思います。

竹田氏自身も「ありがとう」を大切にし、一日に何千回も唱え続けていたそうです。また、もう一つ繰り返し語っていらっしゃったのが「貯徳」という考え方です。

人に喜ばれるものをつくる。お客様に喜んでもらう。感謝する。そして得た富を、また人や社会へ巡らせていく。

竹田氏は、そうした事業を「愛ある事業」と呼び、人に喜びを生み出す経営者を「貯徳の人」と表現しています。

「日本一の個人投資家」と呼ばれるほどの資産を築いた人が、その先で語っていたのが、投資テクニックではなく「ありがとう」と「徳」だったのでした。

船井幸雄先生とサイキック

船井幸雄先生は言わずと知れた日本有数の経営コンサルタントです。

船井総合研究所の創業者であり、経営コンサルティング会社として初めて株式上場を果たした会社を創業した話は有名です。

私も船井先生をかなり昔から存じ上げていましたが、実業界の経営コンサルタントとして大成功を収めた人物という認識でした。

ところが、船井先生が他界されてから数年が経ち、私自身がヒーリングを学んでから、船井先生のまったく別の顔を知ることになります。

船井先生は、私の想像以上に、目に見えない世界のサイキッカーでした。

船井先生ご自身の文章によれば、もともと経営コンサルタントをしていた頃には、むしろ易者や霊能者は仕事の邪魔になる存在だったそうです。

船井先生が経営についてアドバイスしても、経営者が付き合っている易者や霊能者から違うことを言われると、そちらを信じてしまう……そこで船井先生は、1960年代から、コンサルティングを引き受ける際に経営者が親しくしている易者や霊能者を紹介してもらい、自分自身で会って確かめるようになり、その結果、1980年頃には約200人、後に300人を超える易者や霊能者と知り合うことになったそうです。

普通なら「経営に霊能者なんて関係ない」と切り捨ててもおかしくありませんが、船井先生は、実際に能力者と呼ばれる人たちと会い、観察し続けました。

そして、人間の「直感力」そのものを研究するようになります。

1980年代には直感力研究の第一人者とされたウイリアム・カウツ博士と共同で研究を行い、後には『「直感力」の研究』などの著書で、考えなくても物事の本質が分かるような人間の能力について書いています。

「氣」「波動」「潜在意識」「超能力」といったものも、船井先生にとっては経営とは無関係な趣味の話ではありませんでした。

そして何より私が面白いと思ったのは、船井先生ご自身について書かれた言葉です。

晩年の船井先生は、自分には「経営が分る」「予測が当る」という表に出ている能力とは別に、親しくならなければ人には言わない能力が二つか三つあるようだ、と書いています。

私の中で船井先生は、経営コンサルタントであると同時に、サイキッカーとしての感覚を持っていた人だったのです。

経営という極めて現実的な世界で、数多くの会社や経営者を見続けた先で、直感、波動、氣、意識といった目に見えない領域へ踏み込んでいった。

そして経営についても、お客様を喜ばせることが基本であり、それが「波動の法則」によって自分にも返ってくるという考え方を語っていらっしゃいました。

斎藤一人さんを知ったときにも感じたことですが、現実世界でこれほど大きな結果を残した人が、最後には「心」や「波動」や「目に見えない力」の話をしている。

ヒーリングやサイキックを学ぶようになった私にとって、船井幸雄先生の存在は、「成功」と「周波数」が大きく関係しているという確信を、さらに強くしてくれたのでした。

目に見えない情報を大事にしたから成功した

こうした成功者の話を並べると、目に見えない情報を大事にしたから成功したとも思えてきます。

経営では、決算書や売上だけを見ていても分からないことがあります。

お客様が何を求めているのか、社員が何を感じているのか、誰と組むべきなのか、いつ動くべきなのか。お金という数字になる前の空氣やご縁、直感、そして人の意識があり、成功している経営者はそれらの流れを常に察していると考える方が自然です。

それらも広い意味では波動や周波数として受け取っている情報なのだと私は捉えています。経営者のような多くの人に影響力を持つ立場になればなるほど、目には見えない多くの情報を敏感に感じながら、現実を選ぶ能力が求められるからです。

お金はその流れから切り離されたものではありません。誰かに価値を提供し、喜んでもらい、受け取ったものをまた次へ巡らせる。与える循環が大きくなれば、そこを流れるお金も自然に大きくなっていきます。

だから成功者が「運が良かった」「人に恵まれた」「ありがたい」と語るのも、単なる謙遜ではないと考える方が自然です。

自分一人の力では何もできない、多くの人を巻き込む巨大なスケールのエネルギー循環の中にいるからこそ、感謝やご縁、徳といった、数字には表れないものの大切さが当たり前になっているのでしょう。

お金持ちは、より多くの人を幸せにした対価として、大きなお金を受け取っているに過ぎません。

多くの人を幸せにしたから、お金が巡ってくる。巡ってきたお金があるから、さらに多くの人を幸せにできる。その循環そのものが大きくなり、結果的に自分の手元にあるお金も大きくなったのだと思います。

そのように考えると、お金という現実と、意識や周波数という目に見えない世界は、最初から別々のものではありません。

目に見えない情報を大切にしながら現実を生きる。

それが、お金持ちや成功者と呼ばれる人たちに共通する、自然な在り方なのだと思います。

心、身体、現実を整える
三位一体調律(トリニティヒーリング)とは
ほかにも気になることがある方へ
よくある疑問を見る

著者|白川愁士(世界線調律所 所長/神社巡拝ヒーラー)
不動産投資家。お金を追い求めた末に、神社参拝が日常となり、結果的に「神社巡拝ヒーラー」となった。現在は三位一体調律(トリニティヒーリング)で心・身体・現実(お金の流れ)を整えている。宅建士・FP保有。 ▶ プロフィール